産経新聞 平成17年6月4日掲載【書評倶楽部】環境相・小池百合子 『フード・セキュリティー』百年の計を練る必読の書
地球環境問題は、対象が地球そのものだけに、スケールが大きい。時間的にも万年、億年と超ロングスパンだ。 地球温暖化問題についても、このままでは今世紀中に地球の平均気温は最大で五・八度上昇 し、海面の平均水位は八十八センチも上昇するといったぐあいだ。問題は、あまりに先の話だとして、なかなか当事者感覚を抱いてもらえないことである。次の世代、孫子の時代のためにと訴えるが、反応は複雑だ。 そんな時、環境専門家として世界的に高名なレスター・ブラウン氏の著書は大いに参考になる。現状を丹念に踏まえながら、地球的規模で起こりつつある大潮流を解き明かしてくれる。 これまで『エコ・エコノミー』などで、産業革命以来続いてきた大量生産、大量消費、大量廃棄の経済構造からの大転換を訴えてきた。新著の『フード・セキュリティー』では、より現実的な食糧問題から、地球環境の危機を説いている。 かつて一世を風靡(ふうび)したローマクラブによる『成長の限界』も人口と食糧問題を取り上げていたが、ブラウン氏は地球温暖化という切り口を加えて、さらに深く、広く問題の本質に迫っている。まさに百年の計を練るには必読の書だといえる。
掲載に当たり小池氏と産経新聞から特別に許可を頂いています。
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