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地球白書12−13 特集 持続可能で心豊かな社会経済を目指して
第11章 より持続可能な消費に向けた公共政策<概要>
世界全体の消費財の需要は、完全に持続不可能な水準に達している。WWFによれば、世界の需要は、地球が持続可能な範囲で供給できる再生可能資源の1.5倍に相当する。消費主義によって高度に支配されている先進65か国は、2006年の世界の消費支出の78%を占めていたが、世界人口に占める割合は16%にすぎない。また、地球の友ヨーロッパ等の共同報告書によれば、毎年、600億トンの資源が採取されている。これは30年前の約1.5倍である。
企業の変化を促進する上で、市民社会の役割は重要である。例えばグリーンピースは、「インドネシアの熱帯雨林を破壊し、地元住民の生活を脅かし、オランウータンを絶滅に追いやっている」と同組織が判断した企業から、パーム油を調達しているネスレ社に対し、世界中の人々が怒りをぶつけるように働きかけた。結果、同社は「サプライチェーンの中で『森林破壊と関係する高リスクのプランテーションや農場』を所有あるいは管理する企業を特定・排除する」と約束した。
「持続可能性」や「持続可能な消費」を追求するための公共政策の変化のうち、最も重要なのは、持続可能な製品やサービスには減税、より持続不可能なものには増税する事である。例えばスウェーデンでは、「グリーン・カー」は自動車税が5年間免除され、その他の車も全て、自動車税がその車種の二酸化炭素排出量に従って調整されている。
政府は、その行為が常に注視されていて、しかも大きな購買力を有する事から、自ら実例となって先導する事が重要である。例えばサンパウロ市では、屋外広告が禁止され、市民が商業広告にさらされる機会が著しく減った。この政策で撤去された広告は1万5000枚に及んだ。
政府はメディアに対し、持続可能な消費の教育に取り組ませる力がある。例えばブラジル環境省は、ポリ袋の使用を削減する目的で教育キャンペーンを展開した。2009年6月に開始した当初はウォルマートと、後にカルフールとパートナーシップを組み、ラジオCM19本とテレビ・映画館用の公共広告フィルム3本を使い、独創的な形で、ポリ袋の環境への悪影響を示した。結果、10か月後には推定50億枚のポリ袋が削減され、環境中に放出されずに済んだのである。
著者:Helio Mattar is president of the Akatu Institute for Conscious Consumption in Sao
Paulo, Brazil.
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