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 トップ > ブックス > 地球白書12−13 特集 持続可能で心豊かな社会経済を目指して > 第14章

地球白書12−13
 特集 持続可能で心豊かな社会経済を目指して

第14章 気候変動に脅かされる、世界のフード・セキュリティと平等<概要>

 工業的大規模畜産では、トウモロコシとダイズを主原料とする濃厚飼料(抗生物質と成長促進ホルモンが添加される事が多い)を与え、ブタは6か月、ブロイラーは6週で出荷できる。過密飼養のために、土地の使用面積も相対的には小さく、森林伐採や土壌浸食と無縁かのようであるが、大量の飼料生産に広大な農地を要している。
 さらに畜産には、根源的に「不効率」が存在する。スタンフォード大学のR・ナイラーの研究によると、食肉からのカロリーを摂取は、直接的に穀物を食する場合の2〜5倍(工業的大規模畜産で生産される牛肉なら10倍)の穀物が飼料原料として必要になる。

 世界全体では、ダイズの85%はダイズミールと油に加工され、そのミールの90%は飼料に振り向けられる。中国は世界市場で取引されるダイズの半分以上を買付けているが、大半はブラジル産で、そのダイズ生産量の40%以上に相当する。この輸入によって、中国は自国でダイズを生産するならば必要になったであろう「バーチャル・ウォーター」を輸入しているわけで、これは同国が必要とする水の14%に相当する。ユネスコの研究によれば、世界の農業部門の「ウォーター・フットプリント」の29%は畜産部門が占めている。
 地球規模での畜産拡大は、気候変動の促進要因となる。国連食糧農業機関(FAO)の2006年発表の研究によれば、二酸化炭素換算で地球温暖化ガスの世界の排出量の約18%は畜産部門が占めている。一方、世銀の環境専門家の分析では、18%ではなく51%とされている。

 近年のFAOの報告によると、人口と所得の増大を考慮した場合、2050年の世界人口に不足のない食料を供給するには、食料生産量を70%増大させる必要がある。一方、世界の土地の25%が劣化し、地表水も地下水も不足と汚染が深刻化すると指摘している。さらに、気候変動が気候パターンを変化させた場合、農業内部の畜産・主食作物・非食料作物・バイオ燃料原料作物の間での、水と土地を巡る競合が広がると警告している。このシナリオでは「大規模畜産と増大し続ける畜産品の消費」の軌道修正こそが、解決すべき重要課題としている。

著者:Mia MacDonald is executive director of Brighter Green, a nonprofit public policy action tank based in New York City that focuses on the environment, animals, and sustainability, and a Senior Fellow at Worldwatch Institute.

 

 

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