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地球白書12−13 特集 持続可能で心豊かな社会経済を目指して
第1章 グリーン経済を、すべての人の味方にする<概要>
人類は、重大かつ複雑な危機に直面している。生態系への負荷や資源への圧力が高まるに伴い、社会経済的な問題は増加する。世界経済の破綻は、投機性の高い金融商品に起因するが、根源的には、バブル経済崩壊と過大な消費者信用残高に起因する。この経済危機は、雇用不安や国家間及び各国内における貧富の格差を拡大して、社会的不平等に拍車をかけている。
この結果、大規模な銀行救済は公益目的の支出の緊縮削減と対極をなし、現在の経済・政治体制への信任が大きく揺らいでいる。混乱をきたした金融システムに対する事実上の「妥協」は、実体経済を救い、これを持続可能なものにしてゆくビジョンの芽生えを妨げている。着地点が金銭に左右されるような立法や政策決定のプロセスに、自己のささやかな希望が反映されていないと感じる人が増え、投票率の低下や政治離れにつながった。
現状への幻滅感は、草の根レベルの抗議行動を急増させた。ウォール街の占拠運動以前から、マドリードでは「インディグナドス」(怒れる者たち)がプエルタ・デル・ソル広場で野宿をし、チリやイスラエルでも抗議する人々が公共広場を占拠していた。
世界中で、富は極めて不公平に分配されている。国連大学世界開発経済研究所によれば、世界の資産の40%は、成人富裕層である上位1%が所有している。上位5%まででは71%を、上位10%まででは85%を所有している。対照的に、下位半数の所有割合は、1%前後といった状況にある。つまり、平均すると成人富裕層の上位1%は、全人口の下位半数より2000倍近く裕福である事になる。
さて、グリーン経済は、魅力的な可能性でなければならない。目指すところは、全ての人の「持続可能な豊かさ」である。それは、持続可能な開発というプロセス――誰もが基本的ニーズを満たされ、個人の尊厳を認められ、充実した生活を送る機会に恵まれた人生を歩めて、また自分以外の人々も同様に歩めるという事を、現在及び未来においても、否定する事態に陥らない――によって実現される。
著者:Michael Renner is a senior researcher at the Worldwatch Institute and co-director of State of the World 2012.
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