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Eco-Economy-Update2003-7

記録的な高温で穀物収穫量が減少:
月間の減少量はアメリカの小麦収穫量の半分に匹敵

レスター・R・ブラウン

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 8月12日の朝8時30分、アメリカ農務省は世界の穀物収穫量の月間推定を発表したが、その数字は7月の推定より3200万トン低かった。その日の午前中に開いた穀物先物市場では、小麦、コメ、トウモロコシの価格が急騰した。
 3200万トンといえばアメリカの小麦収穫量の半分に匹敵する。収穫減は、記録的な高温で作物が枯れたヨーロッパに集中していた。西はイギリス、フランスから東のウクライナまで、高温の影響は広い地域に及び、実質的にヨーロッパのすべての国で作物が酷暑の被害を受けた。
 ここ数週間の異常高温は記録を塗り替えるものだった。8月10日にはロンドンで気温が華氏100度(38℃)に達した。イギリスで気温が3桁になったのは初めてである。フランスでは8月に連続して11日間、気温が35℃(華氏95度)を超えた。イタリアでは気温が41℃(華氏105度)になった。
 ヨーロッパの熱波のスタートは初夏のスイスだった。ヨーロッパの中心に位置するこの国では、140年前に記録を取り始めて以来、最も暑い6月となった。7月には熱波がヨーロッパ中に広がった。
 作物の被害が最もひどかったのは東ヨーロッパで、小麦の収穫量は過去30年間で最低になっている。ウクライナでは冬枯れですでに深刻な被害を受けていた小麦が、暑さでさらに収穫量を減らし、昨年の2100万トンから今年は500万トンにまで落ち込んだ。その結果、昨年は主要な小麦輸出国であったウクライナが、小麦の輸入を余儀なくされている。パン価格の急騰が抑えられそうもないからである。暑さと干ばつの被害がとくにひどかったルーマニアでは、小麦の収穫量が記録的な低さになると予想される。チェコ共和国では穀物収穫量が、この25年間で最低になるだろう。
 熱波は長引いて8月中旬を過ぎるまで続き、ドイツでも穀物収穫量が減った。ドイツ農業者連合の報告では、同国南東部で穀物収穫量の半分を失う農家もありそうだという。
 世界の穀物収穫推定量が減ったということは、今年の世界の穀物不足量が8200万トンに膨らむということである。世界の穀物消費量は19億1200万トンと予測されており、生産量18億3000万トンを4%上回るため、世界は穀物在庫を大量に減らすばかりである(データ参照)。このため世界の穀物在庫量は1970年代初め以降の最低水準に落ち込んでいる。世界の穀物在庫が危険なほど低い水準になった1973年には、小麦とコメの世界価格は2倍になった。
 大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は年々上昇の一途をたどっており、温室効果を発揮して地球の気温を高めている。過去四半世紀で地球の平均気温は0.7℃上昇した。華氏にすると1度以上の上昇である。
 気温が上がれば、作物を枯らす熱波はますます頻繁に起こるようになる。昨年はインドとアメリカの穀物収穫量が高温と干ばつで大打撃を受けた。今年はその矛先がヨーロッパに向かっている。
 命にもかかわる酷暑が続いている間、ヨーロッパの人々は、気温がさらに大幅に高くなることはあり得ないと思ったかもしれない。だが世界の主要な気候科学者およそ1500人が参加している気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、私たちがこれまで通りのエネルギー政策を続けるなら、地球の平均気温は今世紀中におよそ2.5°Fから10.4°F(1.4℃から5.8℃)の間で上昇するだろうと予測している。
 IPCC予測の最低値しか地球の気温が上昇しないとしても、おそらく私たちを襲う熱波は、たやすく思い浮かぶどんな暑さよりもはるかに強烈なものになるだろう。気温が上がって収穫量が減り、食糧価格が跳ね上がれば、化石燃料の使用量削減を求める消費者の圧力は強まるだろう。それどころか食糧価格の上昇は、エネルギー政策の抜本的な転換が必要なことを示唆する、最初のグローバルな経済指標かもしれない。気候を混乱させる化石燃料の使用をやめて、再生可能なエネルギー源に乗り換えることが望まれるだろう。

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