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World Watch News

エネルギーシフトの行方
高騰する原油とバイオ燃料の可能性

アラナ・へロ

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 国連食糧農業機関(FAO)筋によると、急激に高騰している石油価格と気候変動の高まる緊迫性とが、ここ10年少しの間の主要な国際的な流れであるバイオエネルギーへのシフトに拍車をかけるかもしれない。FAOの持続可能な開発担当長官補佐役に新たに就任したアレクサンダー・ミューラーは、4月25日にローマで行われたブリーフィングにおいて「これから15〜20年の間には、バイオ燃料が世界のエネルギー需要の25%を供給している可能性が十分にある」との見通しを述べた。

  当初、植物をはじめ様々な有機体から生産されるバイオ燃料は、ピークオイルが間近に迫る地球のエネルギー問題に対する天からの救いであるかのように見えた。世界の温室効果ガス排出量のおよそ4分の1を輸送分野が占めるなか、エタノールやバイオディーゼルといったバイオ燃料は、近年の輸送インフラをベースに使用できる唯一の再生可能燃料なのである。バイオ燃料は、石油の対外依存率を減らし、燃料価格を下げ、農民の収入を増やし、新たな雇用を創出する可能性を持っている。バイオ燃料は、たとえば木材くずや下水汚泥のような、地球上に増え続ける固形廃棄物問題の一因となる物質からさえ生産されうるのだ。

  バイオ燃料、とりわけトウモロコシを原料とするエタノールをめぐっては、「原料となる作物の栽培と収穫、そして生産工程と配送に要する化学燃料のエネルギーの方が、バイオ燃料のもつエネルギーを最終的に上回りはしないか」という議論が白熱している。今日、世界で栽培されているバイオ燃料用作物は、競争力のある規模で生産するためには石油ベースの農薬や化学肥料をはじめとする生産資材を要するし、ほとんどすべての農機と施設も化石燃料によって稼動している。需要が急速に高まるにつれ、生産者もこの機を逃さないためには短期的対応に迫られ、、環境への負荷がより大きい農法を取ることも考えられる。たとえば、ほとんどの米国内の工場は大気汚染の少ない天然ガスを使用していたが、アイオワ州のある新設エタノール製造工場ではトウモロコシをバイオ燃料に転換するために300トン/日の石炭を燃やしていると、クリスチャン・サイエンス・モニター紙は伝えた。天然ガスの価格がこの水準で高どまりするなら、トウモロコシ以外の植物も似たように転換されるようになるかもしれない。

  ところで、全体として見ると、科学雑誌に掲載されている最近の研究には「作物の一定量の収穫のために必要とする化学肥料と、その収穫物を原料とするエタノール生産工程のエネルギー効率に関する、より詳細なデータ」が提供されており、トウモロコシを原料とするエタノールはガソリンに比べて温室効果ガスを13%程度削減できる。ブラジルのサンパウロ・サトウキビ生産組合の研究によれば、化石燃料由来の投入資材が少なくて済むことが一つの理由となって、サトウキビを原料としたエタノールではこの削減率は87~96%に及ぶ。そして、国際エネルギー機関(IEA)によれば、作物の収穫後の不要になった茎や葉、あるいは木などのセルロース質を原料とするエタノールは、とりわけその生産工程にバイオエネルギーを使用するならば、温室効果ガスの排出量を100%以上削減する可能性をもっている。

  しかし、バイオ燃料革命において注意を要する点は他にもいくつかある。バイオ燃料作物がより多くの収益をもたらすようになるにつれ、農民たちは、生態学的に価値の高い森林や湿地といった地域を農地に転換するようになりがちである。たとえば東南アジアで、一般的なバイオディーゼル原料の1つであるパーム油のために、熱帯雨林をアブラヤシのプランテーションに切り開いている。また、エネルギー作物が食料用作物よりも収益をあげることから、食料用と燃料用との間での農作物の争奪戦が激しくなり、いくつかの産業における食料価格が上がることもありうる。2005年、実際に砂糖と菜種油が値上がりした。

「これらの問題に対する解決策は存在するものの、それらの解決策にはより広い支持と促進とが必要である」と、ワールドウォッチ研究所のバイオ燃料プロジェクトマネジャーのスザンナ・ハントは言う。バイオ燃料の適切な利用が広まるためには、実用的な研究、国際協力そして強力な政策のバックアップが不可欠だ。たとえば、アメリカに本拠を置く自然資源防衛評議会は最近、バイオ燃料の実用化にむけて中国の産業界および政府機関と共同研究を行っている。この試みは、エネルギー需要が急速に高まっている中国における、伝統的なエネルギー資源を見直そうという大きなプロジェクトの一部である。

  バイオ燃料への増え続ける需要に追いつくために、民間部門にも更なる努力が必要となる。セルロース関連技術の絶え間ない進歩によって、エタノールの原料はトウモロコシや菜種といった食用作物から、スイッチグラス(土壌侵食対策に用いられる丈の高い多年生植物)やススキといった生育の早い植物や農作物の不要となった茎や葉および製材時のくず、あるいは自治体の固形廃棄物の有機物質なども利用されるようになるだろうと見られている。こうした原料はおおかた、食料作物に適した用地を必要としないので、食料需要と競合することが少ない。セルロースのエタノール転換プロセスはまだ非常に大きな投資を要するが、セルロースを原料としたバイオ燃料の製造にかかるランニング・コストは下がりつつあり、カナダのアイオジェン社は既にセルロース原料のエタノールを商業化した。

  ブラジルのエタノール生産者が既に証明したように、バイオ燃料産業それ自体は化石燃料に依存しなくとも生産活動ができる。何年もの間、ブラジルの先端的なバイオ燃料精製企業は生産に必要な熱および動力源に、砂糖の絞りかす(バカスと呼ばれる)を燃料にしてきた。こうすれば、バイオ燃料生産のために石油の輸入代金が増えるという事態を回避できるからである。4月掲載のニューヨークタイムズ紙の記事によれば、ブラジルは、バイオ燃料の原料として、あるいは熱および動力源としてのサトウキビ関連への集中的な投資の成果として、今年中にも国内でエネルギーを自給自足できるようになるであろう。他国もトウモロコシの茎、家畜糞尿を原料とする天然ガス、その他のセルロース質など各地で有利に入手できる物質を、サトウキビのように総合的に利用すればよいのである。

  バイオ燃料は、温室効果ガスを減らして雇用と利益を創出し、石油依存度を弱め、消費者価格を抑制する効果を伴うというかたちで、その生産と消費が可能になるだろう。しかし環境にやさしいバイオ燃料インフラを拡充していく過程において、環境への配慮が十分に払われなければ、この“エネルギー・シフト”の持つ大きな可能性は、著しく損われるだろう。

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翻訳提供/禁無断転載
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