ワールドウォッチ研究所(WWI)のレポート
バイオ燃料に関する新しい世界的研究の成果について話し合うために7日行われたキャピタル・ヒルで開催された会議で、世界銀行総裁のポール・ウォルフォリッツは、16億人が基本的なエネルギー供給を受けられない世界における、エタノールやバイオディーゼルに代表されるようなバイオ燃料の大規模な生産を発展させることの重要性について語った。
「バイオ燃料は、先進国と途上国との間に強力なパートナーシップを構築するための好機となる」とウォルフォルッツは指摘した。彼は、ブラジルにおけるエタノール産業の成長を賞讃しつつも、「他国がエネルギーの自給率100%達成というブラジルの目標を真似たとしても、ブラジルと全く同等の成功を収めるとは限らない」と釘をさした。
「バイオ燃料:21世紀の持続可能な農業とエネルギーの可能性」と題された新しいレポートが、ワールドウォッチ研究所から発表された。レポートには世界各地からの最新データが活かされており、世界のバイオ燃料の先駆者であるブラジルが、2005年時点で世界の45.2%にあたる165億リットルの燃料エタノールを生産したことを明きらかにしている(尚、アメリカは全体の44.5%にあたる162億リットルで2位)。エタノールはブラジルにおける非ディーゼル燃料の約40%、アメリカでは2〜3%を供給している。バイオ燃料は世界の輸送用燃料の1%しか供給していないのだが、その生産量は2001年から比べて2倍になっており、増加率はいっそう加速されるだろう。
発表者には、米国農務省地方開発担当次官のトーマス・ドア、駐米ドイツ大使クラウス・スチャリオス、元CIA長官で現ブーズ・アレン・ハミルトン副社長であるジェームズ・ウルジー、米国発展センターの代表兼CEOのジョン・ポデスタ、そしてダイムラー・クライスラー社・アイオジェン社・コーレン産業の各社からの代表団とワールドウォッチ研究所の研究者などが含まれていた。
同レポートは、バイオ燃料の大規模生産が生態系への重大な脅威を伴うことに警告した上で、政府が適切なインセンティヴを用意すれば、そうしたリスクを最小限に抑えることができ、大きな成果をあげることができるとも指摘している。「農業経済を強化し温室効果ガスの排出量を削減すると同時に、バイオ燃料市場の拡大および新たな技術の進歩のために強調的行動をとることで、石油価格への上昇圧力を緩和できる」とワールドウォッチ研究所のクリストファー・フレイヴィン所長は述べている。
WWIのレポート
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