低減目標をよそに、中国のエネルギー集約度は上昇:政策立案者は省エネを促進する必要に迫られる。
8月2日、証券時報が伝えたところによると、2006年上半期(1-6月)の中国のエネルギー集約度(GDP1ドル当たりのエネルギー消費量)は前年同期比0.8%上昇した。同期間、中国のエネルギー消費量は10.9%の経済成長率を上回る率で伸び、今年末までにエネルギー集約度を4%低減するという中国政府の目標に、非常に大きな問題を投げかけている。
国家発展改革委員会(NDRC)、国家エネルギー弁公室、国家統計局が合同で発表した「全国エネルギー集約度レポート」では、今年上半期のエネルギー集約度は、いくつかの産業で上昇しており、石炭が5.5%、石油と化学が8.7%、電力は0.8%増加したことが明らかになった。証券時報によると、対照的に、製鉄、建材、紡績はエネルギー消費をわずかに減少させ、それぞれ1.2%、4.5%、5.5%低減した。
建設業のようなエネルギー多消費型産業への相次ぐ急速な投資は、今年末までの中国のエネルギー節約目標を達成するための主な障害であると、消息通は強く主張している。中国エネルギーニュースによると、2006年上半期で、鉄鋼、金属、化学、建材などのエネルギー多消費型産業は、産業部門のエネルギー消費量の70%以上を占める一方、GDPに占める割合はわずか20%であった。新華社通信によると、電力、石炭、石油の消費量はすべてGDPの成長を上回る割合で増加し、総発電量は12%、石炭生産量は12.8%、石油消費量は16%以上増加した。
近年のエネルギー多消費型産業への中国の大規模な投資は、驚異的な生産設備を生み出した。このような動きへの変わらぬ熱心な取り組みは、目覚しい成長率を望む地元の役人によって主に推進されている、とNDRC能源研究所所長の周大地は新華社通信に話した。しかし、国内の経済学者は、余剰設備が鉄鋼や金属などのエネルギー多消費型産業で拡大し続けるため、このような早過ぎる成長は持続不可能であると警告している。
中国政府の目標は、エネルギー集約度を今年末までに4%、2010年までに20%低減させることである。しかし、パリに本拠を置く国際エネルギー機関(IEA)は、「中国がこの目標達成に強くこだわるなら、新たに大きな省エネルギー関連の投資を行わなければならないだろう」と指摘している。
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