中国人民は、国家林業局(国家林業局(SFA))に対する類まれな戦いに勝利し、絶滅危惧種を含む289頭の野生動物が捕らえられることを阻止した。野生動物の保護に正式に責任のある国家林業局(SFA)が、今年8月、野生動物の猟に関心を持つ外国人に対して秋期の狩猟権をオークションにかける計画を発表した。中国政府が外国人による野生動物の公の狩猟を発表したのは、これが初めてである。
国家林業局(SFA)は、この狩猟への大きな注目を避けるため、地方紙に短い十数文字の通知を掲載した。しかし国家林業局(SFA)が驚いたことには、影響力のある全国紙、中国青年報がその計画を暴露したのである。国民の反応は国家林業局(SFA)が予期せぬものであった。数時間のうちに、中国最大規模のインターネットサービスプロバイダーであるネットイースには、この計画を論じる3000件以上の書き込みが行われたのである。来る日も来る日も、このニュースは国民的な議論に火を付けた。そして、メディアがその問題を追求するにつれ、さらなる隠された情報が暴かれた。
国家林業局(SFA)は289頭の野生動物の狩猟権をオークションにかける計画で、その対象となる野生動物の多くは、絶滅危惧種か、保護種の最高ランクまたは2番目のランクに分類される動物であることが明らかになったのである。対象となる動物の狩猟価格はさまざまで、チベットアンテロープは1,500ドル、ヒマラヤアオヒツジは2,500ドル、アカシカは6,000ドル、アルガリヒツジは10,000ドル、そしてヤクは40,000ドルもの値段がつけられていた。
国家林業局(SFA)は、今回の狩猟は野生動物の個体数を減少させるものではなく、適切な地域で猟をすることにより、個体数はむしろ増加すると主張した。また、狩猟は国際的な慣行に沿っているとも述べた。しかし、野生動物の専門家が直ちに懸念を表明した。北京大学の生物学教授であり、コンサベーション・インターナショナル・チャイナの副代表であるリュ・ズィ(Lu Zhi)によると、「中国の野生動植物は、数が多すぎるということはない。むしろ、依然として危機に瀕している」。
今回の狩猟に対する国民の批判は、大きく2つに集中している。1つには、国家林業局(SFA)は生態系のバランスを保護するというよりはむしろ破壊しているということである。そしてもう1つは、国家林業局(SFA)は猟を許可し、野生動物の生命を犠牲にして利益をあげようとしていることである。中国メディアは2ヶ月にわたり国民の憤りを徹底的に報道した。
チャン・ジウェン(Chang Jiwen)は、中国社会科学院法学研究所で環境法の専門家であるが、中国での野生動物保護法の制定が、野生動物に対する国民の関心や同情を高めたと考えている。そして、野生動物の虐待は、もはや国民に受け入れられないと語る。また、チャンによると、国民が反対しているもう1つの理由には、多くの法律専門家や野生動物保護専門家の懸念に対する、強い反論や信頼できる評価のいずれも国家林業局(SFA)が用意できないことにある。
国民の大きな圧力を受け、国家林業局(SFA)はオークションを延期した。秋が終われば、銃口を逃れた289頭の野生動物は、もう一度春を迎えられることになる。
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