トップ > レポート一覧 > China Watch 2006-2 ビル・クリントン絶賛、レスター・ブラウン最新刊「PLAN B 3.0」人類文明を救うために発売開始 China Watch 2006-2 -広がる格差-
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2月19日の新華社電によると、中国国家発展改革委員会は2004−05期に8校が合計2270万人民元(284万ドル)の過剰請求を行っていたと発表した。第3回全国学費抜き打ち調査の実施後、要注意校がリストアップされたが、うち4校は中国教育法で無償教育の提供が義務付けられている公立中学だった。これらの学校は後援料20万5000ドル、英語授業料21万ドル、洗濯費43万ドルなどを別途請求していた。 調査結果が公表されて以来、過剰請求に対する国民の怒りは高まっているという。新華網、新浪網、捜狐といった主要な中国語サイトには、「数千人のブロガーから不当請求は多くの学校で行われている」と指摘する投稿が寄せられた。中国では小学・初等中学の9年制公教育を定めた義務教育法(1986年施行)により、公立学校の生徒は授業料を全額免除されることになっている(ただし一定の雑費は支払う)。 公の義務教育費は中央政府・地方自治体、家庭、種々の社会機関が共同で負担する。しかしながら、都市部では公立学校への資源分配が不平等なため、一部の保護者は学費を余分に払って、より望ましい学校にわが子を通わせ、結果的に違法請求を助長している。上海市当局は最近、教育機会の均等化に向け、学区の学齢児童全員を――はじめに入学試験を義務付けることなく――自動的に入学させるよう公立学校に命じた。 一方、貧しい農村地域は都市との所得格差が大きく、地方自治体も公教育を支える財源を確保できないことから義務教育を受けられない子どもが多い。中国の無償義務教育はまだ全国で提供されているわけではないため、現在は農村部で公教育を受ける全生徒の雑費・授業料を2010年までに、免除すべく地方優先の施策が進められている。 国連は無償義務教育を基本的人権ととらえ、ミレニアム開発目標で男女問わずすべての学齢児童が初等教育の全課程を修了することを規定している。ワールドウォッチ研究所『地球環境データブック2002-03』によれば、発展途上国の子どもの1/3は通学期間が5年に満たない。 中国の学校教育はここ数十年間で著しく向上した。『ミレニアム開発目標報告2005』の統計は同国の15−24歳の識字率が2004年に98.9%に達したことを示している(男性99.2%、女性98.5%)。1990年と比較して男性は1.2%、女性は5.4%増加した。 とはいえ、2005年11月に発表された中国教育部の『中国全民教育国家報告』によると、8700万人(うち2300万人が若年・中年層)がいまだに読み書きができず、8%の地方自治体(いずれも貧しい西部地区)が9年制義務教育を導入していない。 |
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