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China Watch 2006-3

【中国環境】
工場からの化学物質廃棄で極度に汚染されている河川

 

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 中国北東部の松花江が化学工場の爆発によって汚染されてから3カ月後、2つめの大規模な流出事故が四川省南東部の越西江の上流域で起きた。今年2月14日に、宜賓(ぎひん)市の近くで100キロメートルもの範囲に有害物質が流出したため、住民約2万人への水供給が停止されたのである。このような頻度で事故が起きたことは、中国政府が汚染の問題に直面しつつあることを顕著に表しており、当局は、産業を河川沿いに配置するという長年来の慣行を再考するようになった。

 川岸の化学工場や発電所は、製紙工場や繊維工場や食品工場とともに、中国の河川や湖の主要汚染源となっている。今では、国内の河川湖沼の70%が汚染されていると推定される。近年、国家環境保護総局が行った調査によって、国内の化学工場2万1000強のうち、半分以上が長江か黄河の川岸にあることがわかった。工場の多くは、環境影響評価を行っておらず、飲料水や地下水や沿岸水域に直接影響を与える場所に建てられていた。

 11月の松花江の事故を引き起こした吉林石化公司は、ベンゼン誘導体であるアニリンの中国最大の製造者である。この工場は1950年代に建設されて以来、150トン以上の水銀をこの川に流してきた。一方で、中国の製紙業は、2004年だけで31億8000万トンの廃水を水域に流しており、これは総排水量の14.4%にあたる。このような廃水は、国内の水質に直接の影響を及ぼしている。中国最大級の工業都市である重慶市の中心街の水道水には、最近新たな国内規制によって飲料水から検出されてはならないとされた101種の汚染物質のうち、80種が含まれていることがわかった。

 重工業は、中国の年率9.9%という経済成長の牽引役であり、「河川流域の工業の柱」として支持されている。川沿いの都市は、意欲的に企業投資を呼び込もうとしており、河川沿いの工場や産業計画については、汚染の管理能力を問わずに承認することもよくある。化学工場や石油精製所をはじめとするこのような工場の多くは、市場での需要の高まりにこたえる形で、能力を超える生産活動を行っているため、労働災害のリスクが高まっている。また、汚染の早期警告システムや緊急対応の仕組みがないことも、工場事故の悪影響を増幅させる。

 最近の大規模な化学物質流出事故を受けて、2月に国家環境保護総局は、環境汚染事故を察知したら1時間以内に同局か国務院(中国で内閣にあたる)に直接報告しなければならない、とする通告を出した。そして当局は、報告を受けたらただちにその事故の調査を始めなければならない。また、情報公開システムにより、人々が最新かつ最も正確な情報を得られるようになっている。11月に松花江で事故が起きた後には大規模なパニックや誤報が生まれたため、このような事態を避けるのが狙いだ。

 中国政府は、明らかな環境安全リスクを引き起こしている工場を厳しく取り締まり、川を浄化する努力を積み重ねてはいるものの、資金も専門家も不足しているため、進展は遅い。たとえば2001年に国家環境保護総局が始めた5か年浄化計画は、2004年半ばまでに、当初の計画における投資額72億5000万ドルのうち3分の1しか得ていない。中国は、国内第三の大河であり国民の6分の1の主な水源となっている淮河でも、1994年以降24億ドルを投資して浄化を行っている。しかし同局は先頃、この事業を失敗と判断した。2004年に点検した結果、汚染企業の31.5%が最大許容量以上の排水を行っていることと、水処理施設の56.7%が稼働していないことがわかったのである。汚染工場の移転や操業停止にも莫大な資金が必要なため、今後も浄化を進めるのは難しい。

 汚染処理のためのインフラ整備は、深刻な汚染を防止し軽減するうえでもうひとつのカギを握る分野だが、これも中国では立ち後れている。淮河沿いでは、2005年末までに稼働する予定だった約85か所の水処理施設が、資金不足のためにいまだ建設されていない。いくつかの都市廃水処理施設では廃水処理の効果がなく、稼働していない所さえある。政府は、全国で新たな上下水道事業を構築し運営するため、外国の技術や革新的手法を熱心に呼び込もうとしている。公式統計によると、これらの取り組みによる潜在的ビジネス・チャンスは、370億ドルを超える可能性があるという。

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