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China Watch 2006-5

【中国開発】お手軽な「開発」で痛手を受けた雲南省の養殖業者

リラ・バックレー

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 北京の開発理論では、「道路を建設すれば富が付いてくる」といわれる。これはまさに、現在失業中の元養殖業者、イ・ジュジ氏に、政府職員が約束したことだ。彼の住む田舎の村と、雲南省内や隣接するミャンマーの大きな市とを結ぶ新しい高速道路が完成すれば、富が生まれると請け負ったのだ。しかし、イ氏は、これが自分やほかの村人が直面している「本当のジレンマ」をいくらかでも解決できるのか疑わしいと思っている。

イ氏は、10年以上前に、地方自治体の要請に応じ、この村の北に位置する雲南省大理(だいり)市からバスで2日以上揺られてやって来た。「自治体の人たちから、南部で漁業を発展させる計画について聞かされました。そして、大もうけできると約束されたのです」と、浅いコンクリート池が何十も並び、さびたパイプが走る中を歩きながら語った。「温泉水がそこに流れ込み、山の冷たい水と混ざって、一年中ちょうど良い温度の水になるはずでした。魚は温かい水のほうが成長が速いので、この仕組みで、村は大金を手にできるはずだったのです」
しかし、この養殖業には、あっという間に予期せぬ費用がかかるようになった。「魚が速く成長するには、エサがもっと大量に必要でした。過去5年間で、魚のエサ代は6倍になりました」とイ氏は話す。「ここは、北京ではありません。外部資源にこんなに頼るのは難しいのです」。イ氏によると、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が蔓延したときにミャンマーが中国国境を封鎖した後、雲南省における魚の売価も下落したという。「今では、魚を売って得られる利益よりも、魚を育てる費用のほうが高くつくようになってしまいました。だから、家族が食べる分だけを養殖しています。これほどたくさんのお金と資源がこの場所に投入されたのに、今ではまったく無価値です。全部無駄になってしまいました」。イ氏は、午後の日差しの中、草に覆われた空っぽの池を見回して、不愉快そうに頭を振った。

この村で10年前に始まった政府の開発計画には、同じように失敗に終わった温泉リゾート計画も含まれていた。広大な西部を開発するために外部投資家への依存を増していることには「弱点」がある、とイ氏は言うが、この放置された養殖場にもその弱点がよく表れている。イ氏自身も外部から来た人間であるが、自分たちにとって適切な開発とは何かを本当に知っているのは地元の人々だけだ、と今では考えるようになった。「私はここでの生活で多くのことを学びましたが、その前にたくさんのものを失ってしまいました。地元の人たちと話すと、彼らは自分たちに何が必要かがわかっています。それは、役立たずのしゃれた漁業設備ではないのです」と、何ヘクタールも広がるコンクリートと金属パイプを前に、うんざりした様子で手を振りながら言った。

「ここの人たちが必要としていることは、簡単です」。イ氏は、電気や学校がないこと、ガタガタ道しかないこと、地元の民芸品を売る店が限られていること、ゴムのプランテーション退職後の補償が少ないことを挙げた。「この地域社会は、非常に孤立しています。一番近くの村までの公共バスさえありません」。道路の改善は切に必要とされているが、この地域の基本的な問題を解決するのは、市場や高速道路ではない、とイ氏は語る。そして、実のところ、このような変化は、人々が村を捨て、東部の大都市に出て行くのを助長しそうだ、と続けた。「北京の市場専門家の理論は、ここでは必ずしも当てはまらないのです」

イ氏によると、この地域で、そしてここと同じようにほぼ未開発の中国西部の各地域で必要とされているのは、その価値を認められた上で、投資を受けることだという。「専門家たちが費用のかかる手法をもって入り込んでくるまで、この地域には、エサをまったく必要としない養殖技術がありました」。伝統的な養殖方法では、家禽と植生を統合させて、資源をほとんど、あるいはまったく投入せずに、自然のフィードバック・サイクルをつくり上げていた。中国で養殖が始まったのは、3000年ほど昔にさかのぼる。このような統合技術は、タンパク質を効率的に変化させていることや、自然のシステムを活用していることで、世界中から賞賛を受けている。

しかし、動物タンパク質への国内需要が高まり、さらには中国近海でも世界全体でも、天然魚の資源量が激減するなか、中国政府は、もっと集約度の高い生産を促すようになった。中国は現在、世界の養殖業生産量の3分の2以上を占めている。2003年のこの国の生産量は約3000万トンだったが、そのために1600万トンのエサが必要だった。

「このため、外部投資家がますます豊かになる一方で、村民の生計は成り立たなくなっています」とイ氏は話す。「そして、あの道路から彼らは、ほかの場所にはもっと良いものがある、というメッセージを送っています。私たちの答えはすべて都市にある、とね。でも、みんなが都市に引っ越すわけにはいかないでしょう? 中国の農民ももっと良い生活ができるようになるべきです」。ゆくゆくは、新しい道路のおかげで、村に富が流れ込むこともありうる。しかし、入念な計画と村民の参画がなければ、お金も資源も消え去っていく可能性もあるのだ。

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