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ビル・クリントン絶賛、レスター・ブラウン最新刊「PLAN B 3.0」人類文明を救うために発売開始

1984年創刊、世界で読まれている地球環境問題のロングセラー本『地球白書』、最新版発売!

Eco-Economy-Update 2006-2

急拡大する中国経済が世界経済の未来を再考させる

 

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 「今日の地球の文明は、経済を衰退させ、そして最終的には崩壊させる、環境面で不安定な経済路線上にある」と“プランB 2.0: Rescuing a Planet Under Stress and a Civilization in Trouble”(ストレス下にある地球と問題を抱える文明を救う)の中でレスター・ブラウンは述べている。
  「世界経済は人類が引き起こした、森林減少、砂漠の拡大、地下水位の低下、土壌浸食、漁業資源の枯渇、気温上昇、氷山や氷河や海水の融解、海水面上昇、そして破壊力を増している暴風雨といったこと、徐々にむしばまれていると環境科学者はかねてより主張している」ワシントンDCにあるアースポリシー研究所の創設者であり所長であるレスター・ブラウンは述べる。
  環境の悪化はいかなる社会にとっても重大な脅威であることは明らかであるが、多くの人は経済改革の必要性をまだ納得していない。しかしながら、主要な資源の消費量において、中国がアメリカを上回ってきている今、そうした状況もいやおうなしに変化している。レスター・ブラウンは、ラナン財団と国連人口基金から主に財政支援を受けて作成した“プランB 2.0” で言及している。
  主要な商品、たとえば食料では穀物と肉、エネルギーでは石油と石炭、工業では鉄鋼といった生産物−の中でも、中国は、いまや石油以外でアメリカの消費を上回っている。中国は、アメリカのほぼ2倍の肉(中国6700万トン、アメリカ3900万トン)、そして2倍以上の鉄鋼(中国2億5800万トン、アメリカ1億400万トン)を消費しているのである。
  これらの数字は、総消費量である。「しかし、中国がアメリカの1人当たりの消費レベルに達すればどうなるだろうか」レスター・ブラウンは問いかける。「中国の経済が毎年8%の率で成長し続ければ、2031年には、1人当たりの収入が現在のアメリカのレベルに達する」
  「もしその時点で、中国の1人当たり資源消費量が、現在のアメリカと同レベルになれば、14億5千万人に達していると推測される人々が、世界の穀物収穫量の3分の2に相当する量を消費することになる。また、中国の紙の消費量は世界の現在の生産量の2倍となり、世界中の森林が消えてなくなってしまう」
  中国が、アメリカのように4人に3人が車を保有するようになると、その数は11億台にのぼる。現在、全世界でも車の数は8億台である。そのような膨大な数の車に必要な道路や駐車場を
  供給するためには、中国は現在のコメの作付面積に等しい広さの土地を舗装しなければならなくなる。それには、1日に9900万バレルの石油が必要であるが、現在でも、世界の石油生産は1日に8400万バレルであり、増産は決してないだろう。
  化石燃料中心で、クルマ社会であり、使い捨て社会である欧米の経済モデルは、中国には適用できないだろう。中国に適用できなければ、2031年には中国の人口を上回っているインドにも適用できない。“アメリカンドリーム”を夢見る発展途上国に住むその他の30億人にも適用できないだろう。
  レスター・ブラウンは指摘している。すべての国が石油、穀物、鉄鋼を獲得するために争うという、グローバリゼーションが、ますます進展するなか、現在の経済モデルは先進国においてもいきづまるであろう。先に上げた中国のさまざまな予定値は古い経済が余命いくばくもないことを教えてくれているのである。
  21世紀初頭の世界の文明を維持することは、いまや再生可能エネルギーを中心とした、さまざまな方法での再使用/再利用経済への移行にかかっている。従来通りの方法、すなわち“プランA”では、世界の文明をもはや維持していくことはできない。いまや“プランB”、すなわち新しい経済システム、新しい世界を築く時である。
  プランBには3つの要素がある。
  (1)文明を維持できるように世界経済を改革する。
  (2)発展途上国がこうした改革に積極的に参加できるようにするために、貧困を根絶し、人口を安定させ、希望を取り戻すことに全力で努力する。
  (3)自然のシステムの修復へ計画的に取組む。
  新たな経済の姿は、西ヨーロッパの風力発電地帯や、日本の太陽熱を利用した屋根、アメリカの急増しているハイブリッド車、韓国の植林、そしてアムステルダムの自転車にやさしい道などで垣間見ることができる。「実際には、経済発展を支える経済を築くためにしなければならないことはすべて、すでに数か国で行われている」とレスター・ブラウンは話す。
  「風力、太陽電池、太陽熱、地熱、小水力発電、バイオマスといった新たなエネルギー源の中でも、風力は主要なエネルギー源として浮上している。ヨーロッパは、風力の時代へと世界をリードしており、現在約4000万人が風力発電によって家庭用の電力を得ている。欧州風力エネルギー協会の予測では、2020年までに、ヨーロッパの人口の半数に相当する。1億9500万のヨーロッパ人が、住宅用の電力を風力発電から得るようになる」
  「風力エネルギーは、豊富、安価、尽きることがない、広く分布する、クリーン、温室効果ガスを排出しない、という6つの理由で急成長している。これらの特性をすべて持つエネルギー源は、他にはない」
  アメリカの自動車用燃料経済にとって、石油使用量と炭素排出量を大幅に削減するための鍵となるのは、ハイブリッド車(ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた自動車)である。アメリカで昨年販売された平均的な新車の燃費は、1ガロン当たり22マイルであるのに対し、ハイブリッド車であるトヨタのプリウスは、55マイルである。もしアメリカが、資源としての石油のセキュリティーの確保と気候安定のために今後10年間で非常に燃費のよいハイブリッド車にすべての乗用車を置き換える決断をすれば、ガソリンの使用量は容易に半減できる。しかも、車の数や走行距離の削減は必要とせず、現在利用できる最も燃費のよいテクノロジーへ変更するだけである。
  そのうえ、蓄電池を追加的に搭載したプラグインハイブリッド車では、毎日の通勤や食料品の買い物など、短距離のドライブには電気を使用できる。これでアメリカのガソリン使用量をさらに20%削減でき、合計で70%の削減になる。さらに、数千の風力発電所に投資して、安価な電気をアメリカ国内に張り巡らせれば、ごく短距離のドライブは風力エネルギーで可能となり、炭素排出量と世界の石油供給への圧力のどちらも、劇的に削減することができるだろう。
  電力需要の少ない午前1時から6時の時間帯に、風力発電の電気で充電するためにタイマーを使えば、1ガロン当たり50セントのガソリンと同等のコストですむ。埋蔵量が減少している石油に対して尽きることのない代替エネルギーであるのみならず、驚くほど安価なエネルギーなのである。
  「経済発展を支える経済システムをつくりあげるには、世界が力を合わせて努力する必要がある」とレスター・ブラウンは指摘している。「これは、貧困を根絶し、人口を安定をさせること、要するに、世界の貧しい人々に希望を取り戻させることである。貧困の根絶は、小規模な家族への移行を促進し、小規模な家族は、同様に貧困の根絶を促すのである」
  貧困撲滅の予算での主な項目は、世界共通の初等教育、最貧困層への学校給食プログラム、小児疾患に対するワクチン接種など村単位での保健衛生の充実、世界中の女性に対する家族計画サービスへの投資である。これらの目標を達成するには、合計で毎年680億ドルの追加支出がかかるだろう。
  もし、ある経済圏の環境が崩壊すれば、貧困撲滅計画は成功しない。レスター・ブラウンによると、「地球環境を修復するーー森林を再生し、漁業資源を回復し、過放牧を廃止し、生物多様性を保護する、そして地下水位の安定と川の流量が回復するところまで水の生産性を上げるーーための予算を集約する必要がある。世界中で導入されれば、これらの対策には追加支出が年間930億ドル必要である」
  社会的・経済的目標のための680億ドルと地球修復目標のための930億ドルとを合わせた、いわば世界環境規模のプランのBの予算は、先の年間1610億ドルの支出になる。そのような投資は莫大であるが、慈善行為ではない。私たちの子どもたちが将来住む地球への、投資なのである。
  「もし、経済の衰退が始まる前に、新たな経済システムをつくり上げることができなければ、それは財源不足のためではなく、むしろ時代遅れの優先順位のためである」とレスター・ブラウンは補足する。「世界は今や軍事目的に年間9750億ドルを費やしている。アメリカの4920億ドルもの2006年の軍事予算は、世界全体の半分を占めるが、主に新しい武器の開発や製造に費やされる。残念なことに、これらの武器はテロの阻止に対しても、また地球の森林破壊を食い止めることや気候安定に対しても無力である」
  「経済を脅かし、ひいては21世紀初頭の文明そのものを脅かす環境汚染や環境破壊と比べると、現在の国家ナショナルセキュリティーに対する軍事的脅威は、それほどのことではない。環境悪化、気候変動、根強い貧困、そして希望の喪失といった新たな脅威は、当然ながら新たな方策を必要としている」
  アメリカの軍事予算は、これら新たな脅威には全く向けられていない。たとえアメリカが、軍事予算の4920億ドルから財源をシフトして、プランB予算全額の1610億ドルの費用負担に同意しても、依然としてアメリカの軍事予算は、NATO加盟国、ロシア、中国の合計よりも多いのである。
  経済発展を支える経済システムをつくり出すのに必要なものの中で、もっとも不足しているのは時間である。気候変動では、もはや回復不能点に到達しようとしている。時計の針を戻したい衝動にかられるが、それは不可能である。自然は時を刻んでいるのである。
  決断の時だ。環境問題から消えていったかつての諸文明のように、これまで通りの方法、つまりプランAを続けて、世界経済が衰退し、最終的に崩壊するのを見守るのか、あるいは、プランBに転換し、経済発展を支える経済システムをつくりあげるのか。
  「事態の重大さと私たちがしようとしている決断の極めて重要な本質を表現する言葉を見つけることは難しい」とレスター・ブラウンは話す。「はたして、いかにすれば迅速な対応に迫られていることを、世界の人々に伝えられるのだろうか。明日ではきっと手遅れともいえるのだが」
  「いずれにせよ、私たちの世代がその決断をすることになる。そのことには疑念の余地はない。しかし、その決断は次世代の地球上の全生命に影響することになるだろう」

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地球白書 2009-10特集地球温暖化抑制 /地球白書英語版State of the World 2009: Into a Warming World / レスターブラウン プランB4.0

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