[漁業・海洋・水産資源]「海のエコラベル(エコマーク)」が広く普及したおかげで、消費者がより健全な漁業(持続可能な漁業)を支援できるようになった。現在では海洋管理評議会(MSC)のラベルが貼付された225の商品が22か国で流通している。ワールドウォッチ研究所の『地球環境データブック』より抜粋。
2002年、海洋や淡水などの水域における世界の漁業生産量は1億3300万tに達した。この記録的な生産量は対前年比2%弱増で、1950年のほぼ7倍である。同時期に1人当たりの生産量も3倍の年間21kgに増加した。
アジアの漁獲量と養殖収獲量は世界の漁業生産量の60%強を占める8100万tだった。中国だけで世界全体の1/3以上の4600万tが生産された。アジアには世界の漁業大国5か国のうち3か国の中国、インド(600万t)、インドネシア(540万t)がある。その他の2か国はペルー(880万t)とアメリカ(540万t)である。
海洋地域における漁業生産量は1億40万tに達しており、代表的なものがカタクチイワシ、タラ、マグロである。その他の3260万tは淡水漁業で、半分以上はコイだが、ほぼすべてが途上国で生産されている(豊かな国々において淡水での釣りは主にレクリエーション活動である)。
1980年半ばまで、海洋漁業のほとんどは豊かな国々の漁船が中心となって行っていた。しかし、「排他的経済水域」により、沿岸国が管理することになり、先進国の漁業技術が普及するにつれ、情勢が変わった。今日、途上諸国は野生魚の漁獲量の3/4(重量比)を占めている。 また、世界で獲れる魚の大部分を食べているのは途上国の人々だが、年間1人当たりでは14.2kgと、先進国の人々の24kgより大幅に少ない。アジアにいる10億近くの人々にとって、魚はタンパク質供給の30%を占めているが、世界全体ではわずか6%である。
【後編】「海のエコラベル」が漁業生産を守る《2》
・【地球環境問題の書籍をオンラインで購入(ad)】
|