中国の国家林業局(SFA)と大手石油会社ペトロチャイナ(中国石油天然気)は、雲南省と四川省のおけるバイオ燃料プランテーション基地開発に協力する取り決めに調印した。中国でも非化石燃料エネルギー源が注目を集めている。
中国の森林当局と国内最大規模のエネルギー企業との間で先ごろ締結された、西南部のバイオ燃料プランテーション開発に関する協定は、中国における非化石燃料エネルギー源への関心の高まりをよく表している。しかし、こうした盛り上がりは、西南部の森林と生物多様性に重大な環境的損失をもたらせる可能性も秘めており、再生可能エネルギーには、恩恵と引き換えに大きな代償が伴っている。
1月、中国の国家林業局(SFA)と大手石油会社ペトロチャイナ(中国石油天然気)は、雲南省と四川省のおける2か所のヤトロファ(Jatropha curcas)プランテーション基地開発に協力する取り決めに調印した。このヤトロファは、油脂含量が30%を超える耐寒性のある低木の油糧種子で、バイオディーゼルの生産に理想的な原材料とみなされている。各プランテーションの生産能力は1万トンから3万トン。作付面積の合計は4万へクタール以上であると、中国緑色時報(China Green Times)は伝えている。
中国政府はそれ以降も、バイオ燃料のさらなる生産拡大に意欲を燃やしており、新華社通信によると、国家林業局(SFA)のスポークスマンが「中国は1300万ヘクタール以上の森林地帯をバイオ燃料生産のために利用する準備が整っている」と発言したという。さらに、いくつかの地方自治体は、長期の油糧作物栽培をすでに実施、あるいは計画を進めている。
雲南省林業庁の計画によると、同省は127万ヘクタールのバイオ燃料プランテーションを造成し、2015年までに、[エタノールの年産400万トン]と[バイオ燃料の年産60万トン]が可能な中国最大のバイオ燃料拠点になることを目標としている。また、すでに省内の40県でバイオ燃料プランテーションの開発が始まっている。
これらの開発を後押しているのは伸び続ける国内の自動車用燃料需要だ。国家統計局(NBS)の最近の調査では、中国国民が保有する自家用車の数は、2006年末には2925万台に達した。これは2005年比で23.7%の増加である。
【後編】バイオ燃料の生産拡大が中国の生態系を脅かす《2》
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