今年中国で発生している異常気象の数々は地球温暖化が原因とする中国当局の見解を、ロイター通信が伝えた。夏の洪水による死者は24の地域で700人を超え、さらに推定500万人が家を失った。干ばつで800万人超が水不足に陥っている地域もある。同国は水源が乏しく、多くの人口が洪水地帯を干拓した土地に住んでいるため、干ばつや洪水が毎年のように起きる。しかしながら、これほど長引くのは異常で、こうした気象異変は今後深刻化する可能性が高いとの見方が示されている。
中国気象局予測減災司の宋連春司長は、「今年の異常気象の一因は、温暖化によってもたらされた異常な大気循環」だと言う。
降雨量が平年より25%少ない湖南(フーナン)省では、120万人あまりが水危機に直面している。40℃を超す暑さに見舞われ、人工雨を降らせるための「雲作り」に乗り出さざるを得ない都市もある。中国の穀倉地帯である中部の河南(ホーナン)省も大きな被害を受けた。3月からの雨量はこの2年間で平均70%減少しており、今月はまとまった降水は期待できないと、新華社通信は伝えている。
同じく中部の湖北(フーベイ)省は、これとは正反対の問題を抱えている。揚子江に毎秒5万1000m3の水が流れ込む非常事態に置かれていると、ロイターが報じた。揚子江が注ぐ三峡ダム貯水池の水位は上昇を続け、下流の武漢(ウーハン)を脅かすとみられる。今夏は淮河(ホワイホー)が氾濫し、数百万人が避難した。河南省や東部の安徽(アンホイ)省、江蘇(チャンスー)省に被害を及ぼし、水位は1か月後にようやく下がり始めた。
【後編】最近の気象災害は地球温暖化が原因《2》へ
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