【前編】最近の気象災害は地球温暖化が原因《1》へ
宋司長は中央政府のウェブサイトで生中継された記者会見で、「今後はこうした異常気象が多発し、ますます顕著になるだろう。このことはすでに数々の事実で証明されている」と述べた。「わが国への影響は間違いなく非常に大きなものになるだろう」
この夏異常気象に見舞われているのは中国だけではない。イギリス西部では60年ぶりの大洪水が発生し、インドネシアでは豪雨による大規模な地滑りの死亡者が増加している。インドとバングラデシュでは3000万人以上が局地的な洪水や降雨の被害を受け、この8日間で150人あまりが死亡した。
『ネイチャー』誌に掲載された複数の論文によれば、大型の自然災害は今後世界各地で頻発すると予測される。カナダ、ロシア、ヨーロッパなど北部地域の降水量増加や、北半球熱帯の乾燥化、南半球熱帯の多雨化といった気象異変の原因の大部分は人間にあることが、これらの研究で確認された。人為的気候変動は平均降水量の変化に「検出可能な影響」を及ぼすが、その動向は通常の気候変動では説明できないという。
中国経済が急成長するなか、国際社会は工場やクルマからの二酸化炭素排出に強制的な上限を導入するよう同国に繰り返し求めてきた。同国はこれまで、経済成長が不当に阻害されるとの懸念からそうした要請を拒否していたが、近年は国内各地の大気汚染を抑制するため、さまざまな取り組みを行っている。現在、同国の温室効果ガス排出量はアメリカに迫る水準で、6月には世界最大の二酸化炭素排出国になった可能性があると、オランダの研究者が発表した。
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