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Eco-Economy-Indicators

二酸化炭素放出量の上昇

バーニー・フィシュロビッツ・ロバーツ

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 2001年、世界の大半で経済成長は沈滞していたが、化石燃料燃焼による二酸化炭素放出量は執拗に上昇を続け65億トンを超えた。(データ参照) 大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前のレベルである280ppmから現在370ppmに上がり32%の増加率である。この20年間で大気中の二酸化炭素濃度は、一年当り1.5ppmという前例のない速さで増えている。

世界の化石燃料による二酸化炭素放出量推移

 1950年の二酸化炭素放出量は16億トンだったが、1977年には3倍以上の49億トン、2000年には65億トンになり、50年間で4倍以上増えたことになる。大気が処理できる炭素量はほぼ一定だが、放出量は増えていながら大地が処理できる量は減りつつある。大気中の二酸化炭素やその他の温室効果ガス濃度が増えると、大地の熱を閉じ込め気温上昇を引き起こす。これが原因で、氷河は融解し、海面は上昇し、より大規模な嵐が増えるのである。

 人間の活動による二酸化炭素放出量の4分の3は化石燃料燃焼により、残りは主に森林破壊などの土地利用の変化による。世界の燃料消費量は今後20年間で60%増加すると予測されている。米エネルギー省によると、石炭の消費量は45%、石油は58%、天然ガスは93%増えそうだ。石炭の消費量は1996年ピーク時以降6%減っており、このまま減り続けるか、増加率が予測より少なくなりそうだ。今後20年間たとえ石炭消費量が安定しても、現在の化石燃料全体による二酸化炭素放出量の多さは問題外である。化石燃料の使用量の増加は、世界の気候の変化を早めるだけだろう。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、大気中の二酸化炭素濃度は2100年までに650ppmから970ppmという産業革命以前の2倍から3倍に増えると予測している。その結果、1990年から2100年の間に世界の平均地表温度は1.4度から5.8度という前例のない速さで上昇しそうである。

 二酸化炭素放出の原因は主に4つある。発電による放出が1番多く42%を占め、次は輸送や交通による24%。第3位は工業の燃料によるもので20%、残りの14%は住居や商業的利用によるものである。

 幸いにも、すでに利用可能な技術を使ってどの分野の放出量も減らすことができる。風力、太陽熱、地熱を使えば、化石燃料の使用量を大幅に減らせる。装置や機械の効率を上げれば、産業や住居で使われる燃料の量を減らせる。短期的には、燃料効率を上げながら、自家用車ではなく公共交通機関を使うことで交通による炭素放出量を減らせる。長期的には、液体水素燃料による車やバスを使ばさらに大幅に削減できるだろう。

 米国は第2位以下に大差をつけて、全世界の二酸化炭素放出量の24%を占める世界最大の排出国である。中国は14%、ロシアは6%である。経済大国第2位の日本や、中国の次に人口の多いインドは、ともに2%である。

 気候の変化に取り組み、大気中の二酸化炭素やその他の温室効果ガス濃度を減らすため、これまで様々な政策が提唱されてきた。その中で代表的なのが京都議定書で、2008年から2012年で温室効果ガス排出量を少なくとも1990年比で5%に減らすことを先進国に課している。国際条約となるためには、1990年における先進国と旧東側諸国の二酸化炭素排出量の55%を占める最低55カ国の批准が必要である。2002年6月初旬時点で、世界の温室効果ガス排出量35.8%を占める74カ国が批准しており、その中には日本やEU加盟国全てが含まれている。しかし米国とオーストラリアが批准を拒否しているため、京都議定書が発効される可能性はかなり低い。

 米国ブッシュ政権の「澄み渡った空」法では、全体的な二酸化炭素排出量ではなく、GDP単位当りの二酸化炭素排出量(「炭素集約度」と呼ばれる)を減らすよう命じている。二酸化炭素排出量の大幅な増加なしには経済成長はありえないというこの法案の前提には問題があり、米国の排出量増加を抜本的に止めることはできないだろう。米国経済は炭素集約度の効率化に予断がないが、全体の排出量も増え続けている。米国エネルギー合理化経済評議会(ACEEE)によると、米経済における炭素集約度は1990年から2000年の間に17%減ったが、同じ時期の全排出量は経済活動が39%増えたため14%増加している。

 京都議定書が発行されたとしても、それはほんの第一歩に過ぎない。IPCCによると、大気中の二酸化炭素濃度を450ppmに安定させるためには、数十年のうちに化石燃料の排出量を1990年のレベル以下にし、徐々に現在のレベルのほんの一部の量へと減らさなければならない。

 京都議定書が最終的にどうなるかはわからないが、その他の政治的イニシアティブには期待が持てそうだ。世界中で年間3,000億ドルにも上る化石燃料への政府補助金を減らすか無くすことで、エネルギー経済は、二酸化炭素排出量が多い化石燃料への大きな依存から抜け出せる。所得税を減らし、炭素税を導入したり増やすことで、経済面と環境面の目標を建設的な形で一致できるだろう。クリーンエネルギーの技術に関するさらなる研究・開発資金を増やすことも、炭素ではなく水素を基盤としたエネルギーシステムへの移行の一助となる。また、世界人口をなるべく早く安定させることも、二酸化炭素排出量を減らす助けになるだろう。

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