トップ > レポート一覧 > Eco-Economy-Update 2008-2 ビル・クリントン絶賛、レスター・ブラウン最新刊「PLAN B 3.0」人類文明を救うために発売開始 Eco-Economy-Update 2008-2 【気候変動】2007年、北半球は過去最高の暑い年
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2007年度の観測記録がつい先日、発表された。これで気温が世界的に上昇し続けていることが明確となった。2007年の世界の平均気温は14.73度(華氏58.5度)で、観測開始以降、2番目の高さを記録した。最も平均気温が高かった2005年の値にわずか0.03度及ばなかった。月別で見ると2007年1月の月間平均気温は、観測開始以来の最高記録を実に0.23度更新。8月も過去最高値を更新し、9月は過去2番目に高い値を記録した。 北半球だけでみてみると、2007年の平均気温は15.04度(華氏59.1度)。1880年の観測開始以降で飛びぬけた値だ。さらに、1951年から1980年を平均した気温より1度以上高い。古木の年輪幅から推測された気温記録は、少なくとも過去1200年間で現在ほどに暑い時はないことを示唆している。 2007年は、「着実に増加する世界平均気温上昇パターン」にはまっている。また最も暑かった年の上位8位までは全て過去10年の間に記録されている。さらにNASA(米航空宇宙局)ゴッダード宇宙研究所が蓄積してきたデータから、世界の平均気温が上昇していることが分かる。1970年代は14.02度、1980年代は14.26度、そして1990年代には14.40度になっている。さらに21世紀に入ってからの8年では16.44度だ。1990年からは0.33度上昇していることになるのだが、その上昇スピードは気候モデル予想を超える。2007年は最高記録を更新しなかったものの、例年と比べて異常なほど暑かった。しかも、地球を冷却する自然要因があったにもかかわらずだ。南太平洋でエルニーニョが発生すると、世界の平均気温は上昇する傾向にあるが、2007年下半期はエルニーニョと逆の減少で地球温度を通常、下げるラニーニョが起こっている。3番目に暑い年だった1998年とは全く対照的ではないか。この年の高気温は20世紀最大のエルニーニョによって0.2度押し上げられた。穏やかなラニーニョ現象に加えて、2007年の太陽の日射量は平均値をやや下回っていた。11年周期で変動する太陽活動の極小期にあたる年だったからだ。これらの要因が組み合わされば気温は通常、低下すると予想できる。しかし、それでも2007年は人類史上最も暑いと言われるほどの年になった。温室効果ガス濃度上昇による温暖化が、地球上で起こるその他の気候現象を抑制することが明確に見て取れる。 2007年の異例の猛暑による影響は特に北極で顕著だった。この地域に備わる何種類かのフィードバックメカニズムは、温室効果ガスの濃度上昇が生み出す影響を増幅させる。夏には海氷域が劇的に縮小し、2005年に記録された最小値はさらに23%下回った。皮肉なことに観測開始以来、初めて北西航路が通航可能となったことで北極圏の領土権争いに拍車がかかったのは事実だ。 2007年、歴史的な猛暑を記録した地域もあった。ヨーロッパ南東部では熱波で気温が45度にまで上がり、500人が命を失った。日本では、8月に40.9度を記録し、同国の最高気温記録が塗り替えられた。記録的な猛暑と厳しい干ばつが同時に起こると大規模な災害につながることが、7〜8月にかけてギリシャおよびアメリカの両国で発生した大規模森林火災で示された。 |
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