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WorldWatch News

【海洋汚染】海が危ない!鉱山廃棄物の海洋投棄

 

 

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 1996年に投棄を開始してから、2004年の半ばまで、ニューモント・ミナハサ・ラヤ金鉱山は、熱帯のサンゴの豊かな、インドネシアのスラウェシ島のブヤット湾海域に、1日あたり2000トンの廃棄物を投棄し続けた。かつては、その湾岸地域の家族の主要な食料源や収入源となっていた海域である。魚が姿を消したとか、残っているのは奇形魚だという噂がすぐに広まった。村人もまた奇妙な吹き出物や腫れ、そのほかの症状を訴えた。こうした病気はすべて、廃棄物の投棄開始後にみられるようになってきたという。インドネシア政府から委託を受けた科学者からなる第三者機関が、データを精査して、この鉱山による汚染を認定した。アメリカに本拠を置く親会社のニューモント・マイニング社は、独自の調査研究を依頼し、「そのデータからは、水の汚染はない」と主張し続けた。しかしながら、まさにこの調査によって、「湾の沈殿物が水銀やヒ素、アンチモン、その他の金属によって汚染され、おそらくはこうした汚染物質を底生の生物が摂取していること」が明白に示されたのだが、これについては口をふさいでいた。
  ミナハサ・ラヤ鉱山とバツ・ヒジャウ鉱山から出される尾鉱(鉱石残滓)は、海岸近くの浅い海洋環境中へと廃棄されてきた。パイプラインを通る場合もあれば、河川を経由する場合もあるが、数十年も、おそらくは少なくともこの100年にわたって続いてきた。このやりかたは、海生生物に明白な影響を(そして、人間にも及ぶと疑われる影響を)与えており、とりわけペルーやチリ、インドネシア、フィリピンでは激しく対立する法的な争いが起こる結果となった。
  尾鉱(tailings、日本ではズリとも呼ばれる)は粉砕された鉱物質を含有する岩石と、処理に使われる化学薬品からなる。岩石の成分には周期律表にあるほとんどあらゆる天然元素が含まれるが、よく見られる汚染物質としてはヒ素やカドミウム、銅、鉛、水銀、ニッケル、セレン、亜鉛、ウランがある。金属鉱石の処理には、通常は化学薬品が添加される。これには、水酸化ナトリウムや硫酸、シアン化ナトリウム、硫酸銅、二酸化硫黄、キサントゲン酸塩、軽油、アミン類、ポリエチレングリコールメチルエーテル、そのほかに数十もの化学薬品がある。こうした化学薬品や岩石の成分の一つ一つは、濃縮された状態で存在した場合、海洋の生物にとって有毒であることが分かっている。数十もの化学物質がこのように複雑に混ざり合ったとき、その毒性の相乗効果については不明である。
  金属の採鉱と鉱業廃棄物の世界の海洋への投棄処理は、いずれも古代からの「コモンズ(共有財)」という考え方に関わってくる。コモンズとは、公有のものでも私有のものでもなく、共同で維持し、使用する資源である。どんな深さであっても、海に尾鉱を投棄することは、コモンズを途方もなく広範囲にわたって劣化させる可能性がある。
  ロバート・モラン アマンダ・ライヒェルト=ブルシェット ロイ・ヤング
  *ロバート・モラン(学術博士)はコロラド州ゴールデンに本拠を置くコンサルタント会社「マイケル-モラン・アソシエーツ」の顧問水文地質学者かつ地球科学者で、共同経営者。アマンダ・ライヒェルト=ブルシェット(学術博士)は海洋環境毒物学者で、オーストラリア、リスモアにあるサザンクロス大学の上級講師。ロイ・ヤングは環境地質学者で、コロラド州デンバーの「グローバル・レスポンス・ネットワーク」の顧問。

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