第一章 中国・インドー地球の未来を握る新超大国
地球の未来を握る新超大国の出現
急増する資源需要がもたらすもの
◆世界にインパクトを与える両国の台頭
インドのシリコンバレー・バンガロールにみる経済の強み
単なる世界の工場から脱皮しつつある中国経済
中国の携帯電話加入者は三億人を超え世界一に
中国とインドはアメリカをしのぐ教育大国
六割の人々は経済成長から取り残されている
農村から都市への移住圧力
大気汚染が深刻な世界の都市のうち、中国が八割を占めている
◆エネルギーの未来を選択する
環境負荷が大きい石炭への依存
電力供給に不安を与えるエネルギー不足
石油にシフトするエネルギー源
石油高騰が経済発展に急ブレーキをかける
危険な中東石油への依存体質
最大規模の原子力発電所を建設しても、電力のわずか五%しか得られない
世界市場の七割に相当する中国のソーラー給湯システム
インドの再生可能エネルギー事情
◆世界の穀物市場への影響力が増している
予想される中国の穀物需要の増大
急激に進む穀物在庫の取り崩し
懸念される食料価格の高騰
国民一人あたりの穀物作付面積はアメリカの三割
生産量拡大を阻む地下水の枯渇
都市に吸い取られる水と耕地
劣化に苦しむ農業基盤
◆生態系の容量を超えつつある環境問題
エコロジカル・フットプリントとは何か
広がる生物生産力とエコロジカル・フットプリントの差
エコロジカル・フットプリントは国ごとに著しく不均衡な状態
急増が予測される中国とインドのエコロジカル・フットプリント
アメリカはエコロジカル・フットプリント超大国
限界が見えた資源集約型の開発
◆判断を迫られる経済の新しい形
新しい経済システムの模索
自動車に変わる輸送システムの構築が急務
成功を納めたBRT(バス高速輸送)
自動車の三倍を売り上げる電動アシスト自転車
インドの貧困層を救う雨水貯留法
少ない予算で、ウェルビーイングを改善する市民参加型の政策
先進国を飛び越す新しい経済モデル
◆世界の検討課題を再考する
三大国の協力が自滅競争を回避する
急がれる両国の世界の表舞台への参加
脱化石燃料社会へ向けて協同で取り組む
新しい農業モデルを探る
前提となる異文化交流の促進
新しい世界システムを目指して
第二章 BSE・鳥インフルエンザー工場式畜産の実態
増え続ける家畜は何をもたらすのか
生産と生活に不可欠となっている家畜の飼養
畜産は急速に自然から切り離されている
◆一世紀前の食肉『ジャングル』の再現
発展途上国における「緑の革命」に続く「家畜の革命」の実態
倍増が予測される発展途上国の食肉消費量
工場式畜産とはどういうものか
家畜の半数以上が工場式畜産で生産されている
一世紀前に指摘されていた工場式畜産の問題点
食肉生産は一握りの大企業へ集約されつつある
畜産糞尿型ミニ・チェルノブイリ
◆食べる人たちが知らない、知ろうとしない解体工程
進む食肉処理の自動化
もっとも危険な労働といえる食肉加工
チキン・キャッチャー
色の淡い柔らかい子ウシ肉を生産する方法
ストレスで尻尾を噛み合う子ブタ
ストレス、ストレス、ストレス
経済的にもマイナスとなる動物虐待
◆大量のトウモロコシ、大豆、魚、水から大量の糞尿を
トウモロコシがファストフード国家を支える
漁獲量の二割近くが家畜の餌に消えている
BSEがなくならいアメリカではトリの排泄物も、ブタも、おがくずも飼料に
大量の水を必要とする工場式畜産
化石燃料を大量に必要とする食肉
工場式畜産がもたらす糞尿問題
空気と水の汚染が人々の健康に害を与える
大量の糞尿が農業と畜産のバランスを崩す
◆蔓延する病気
ニワトリ、ヒト、そしてブタの密集が感染症発生のリスクを増大させる
死亡率が減って感染力が増している鳥インフルエンザ
感染を防ぐには殺処分は効果的ではない
対応策が工場式畜産への移行へとつながるという皮肉
食肉処理施設の集約化が口蹄疫拡大の原因
不衛生な近代的処理解体場が食品の安全性を脅かす
家畜への抗生物質の過剰投与が耐性菌を出現させる
アメリカの家畜は一五年間で五〇%増の抗生物質を与えられている
抗生物質の濫用が根本的な原因
EUは成長増進を目的とする抗生物質の使用を禁止
◆家畜への思いやりを深める
工場式畜産と残酷な解体処理を変えることが真の解決策
環境への負荷が少ない牧場飼育に活路を見出す
法律が小規模業者と放牧農家を圧迫する
小規模畜産農家を存続させる方法
人道的な畜産への取り組みが始まっている
有機製品は必ずしも動物にやさしい畜産ではない
抗生物質の使用を減らす新たな動き
小規模畜産が工場式畜産よりも効率的
採択された動物の人道的な輸送と解体処理に関する基準
抗生物質の使用制限は結果的にコスト削減につながる
大きなカギを握るのは消費者の選択
畜産品のセキュリティーは国家のセキュリティーにとって重要
意識改革が安全で持続可能な畜産を実現する
第三章 川と湖ー生態系を守ることが水を守る
淡水の九九%は河川湖沼・地下水層から取水されている
増える水需要は生態系を破壊する
◆環境ダメージを評価する
大量取水がアラル海を消滅させる
河川流量が半世紀で九〇%も落ち込んだインダスデルタ
ダム建設は自然な川の流れをねじ曲げる
生態系の危機に直面するミズーリ川
世界で一四六か所にもなる貧酸素海域=デッドゾーン
気候変動が水不足の原因となる
◆健康な流域が安全な飲み水を育む
節水で水のセキュリティーを築いたコロンビアの首都ボゴダ
流域保全によって水不足を回避する、アメリカの主要都市
三割の都市が自然保護区を水源にしている
下流の受益者負担を財源に、流域保全に取り組むエクアドルの首都キト
水供給安定を目指して、外来種駆逐に心血を注ぐ南アフリカ共和国
節水こそ水不足解消の大きな手立て
ボストンは積極的保全プログラムによって、水使用量を三割減らした
成功の可否を握る公的機関の把握と評価
一〇万種類の化学物質が汚染の危険をはらむ
◆フード・セキュリティーは生態系のセキュリティーにかかっている
人口増加を支えるには農業用水の生産性倍増が不可欠
マイクロ灌漑によって、大幅な節水と同時に収量が最大九割アップ
イネの浅水管理で七割の節水が可能
雨水の利用の決め手は情報・技術支援と貯留
灌漑計画を大きく上回る氾濫原の経済的価値
肉食を減らすことが水不足の解消につながる
◆リスクを減らし、自然の回復力を維持する
ハリケーン「カトリーナ」で明らかになった生態系の破壊
インド洋大津波の被害を防いだマングローブ林とサンゴ礁
自然災害の多くは人的災害の要素を含んでいる
自然の防護機能を見直す動き
ドナウ川では湿地回復の国際的な取り組みが始まった
湿地と氾濫原の保全は気候変動に対する災害保険
◆二一世紀の水政策を導入する
国民の信頼を背景にした政府主導の水政策が求められている
南アフリカ共和国に学ぶ水政策
持続可能な開発を支持する水の管理体制
取水制限は流域経済にプラスにはたらく
真に川を再生する手段「リビングマレー構想」
「汲んだもの勝ち」の法則から脱却する
使えば使うほど上がる料金体系が節水を促す
監視体制の強化が政策実行の要
第四章 バイオ燃料ー再生可能な石油代替エネルギーを開発する
古くて新しいバイオ燃料
まだまだ小さいバイオエネルギーのシェア
高まるバイオ燃料への期待
広がる可能性と解決されていない問題
◆蒸留工場からバイオ精製所へ
バイオ燃料普及の歴史
なぜブラジルがエタノール燃料先進国になったのか
価格変動を吹き飛ばすフレックス・フューエル車の登場
エタノール産業が一人立ちできた理由
国家に大きく貢献するエタノール産業
アメリカのエタノール燃料事情
バイオディーゼルとはどのような燃料なのか
飛躍的拡大をとげるバイオディーゼル
建設ラッシュが続くバイオ燃料工場
非食用バイオマスの開発が拡大の成否を分ける
◆環境リスクと環境効果
バイオ燃料がもたらす光と影
化石燃料より格段に少ない健康への被害
バイオ燃料は気候への悪影響も減らす
バイオ燃料作物が環境破壊をもたらす場合がある
多年生作物の栽培が有効
作付方法の変更で危険を回避する
内容選択を迫られるバイオマス作物栽培
◆燃料開発
バイオ燃料作物栽培が農業・農村振興を担う
地域雇用の拡大にも役立つバイオ燃料工場
輸送部門の利用だけでは豊かさにつながらない
バイオ燃料は途上国にもメリットをもたらす
貿易拡大に向けた取り組み
期待される南北問題解決の役割
◆バイオ燃料の将来
エネルギー作物栽培に食用作物の技術を活かす
バイオ燃料の需要拡大を見越した各国の動き
石油業界と自動車業界の思惑
エネルギー・セキュリティー面から見た特長
代替輸送燃料として抜き出たメリット
まだまだ厚い石油への国家補助
バイオ燃料経済の注意点
政府が行う望ましい施策とは
バイオ経済の進むべき方向
エネルギーの歴史的転換をもたらすバイオ燃料
第五章 ナノテクノロジーー夢の技術の開発は市民権を得てから
ナノテクは夢の技術となりうるか
莫大な資金投入を背景に急成長するナノテク産業
ナノテクはあらゆる分野に応用可能な基礎的技術
ナノテクの負の側面を考察する
対応を迫られる課題
◆ナノテクノロジーとは
ナノスケールの世界では物質の性質が大きく変化する
ナノテクを使用した商品
ナノデバイスが生み出す新たな世界
研究段階にあるナノセンサー利用技術
◆ナノ粒子の潜在的リスクは決して小さくない
小ささゆえに毒性が懸念される人口ナノ粒子
悪影響を示す具体的事例
提言されたナノ粒子の環境放出の抑制
見解が定まらないナノ粒子への対応策
ナノテク規制の動きは始まったばかり
◆発展途上国への影響
貧困問題解決の救世主と目されるナノテク
ナノテクで安全な水をつくり出す
ナノテクがエネルギー問題を解決する
ナノテクに期待される廃棄物の最小化
注意が必要な自然資源と労働力の余剰化問題
危惧されるナノテクが招く社会的混乱
カーボン・ナノファイバーとチリの銅鉱山労働者の生活
ゴム産業に予想される影響と問題
ナノテクで変貌する繊維業界
◆ナノ・モノポリー
戦国時代に突入したナノテク産業
危うさを内包するナノテク特許
強すぎる基礎的特許が弊害を生み出す
◆ナノバイオテクノロジーが生命の営みに新しい意味をもたらす
バイオマシンの驚異的な機能
高まるナノバイオテクノロジー災害の危険度
急がれるナノバイオテクノロジーの規制
◆議論と規制の必要性
多くの市民に拒否された遺伝子組み換え(GM)作物の場合とナノテクの場合
社会自身が技術をコントロールするプロセスをつくる
必要とされる市民参加の広範な議論
科学技術を民主的に監視するシステムを構築する
第六章 水銀ー地球規模の拡散を防ぐための提案
フランスでは四割の幼児から、基準値を上回る水銀が検出されている
暮らしのあらゆる場面に潜む水銀摂取の可能性
漁業に与える深刻な被害
先進国から途上国へシフトする水銀問題
◆水銀の毒は世界を巡る
グリーンランドに住む女性のほとんどは、血中の水銀濃度が危険レベル
水銀は広がりやすく消えにくい
北極が重度に汚染されている理由
先進国と途上国とで差がありすぎる水銀汚染への認識
◆世界の水銀使用量と放出状況
石炭燃焼が大気放出の主な原因
水銀の三大用途
水銀電池の使用状況
中国は水銀電池大国
電池廃棄時につきまとう危険
電解ソーダ工業に由来する放出
水銀電解法は旧式で前近代的な技術
手作業による小規模な金採取が大きな汚染源になっている
汚染拡大の原因は貧困と金価格の上昇
目に見えない水銀製品
計測機器に使われる水銀は三〇〇トンを超える
美白が水銀汚染を引き起こす
アメリカの水銀循環量は三〇〇〇トン
◆世界の水銀市場
乱高下する水銀価格
捨てきれない不法廃棄の可能性
特異性を持つ水銀市場
世界の水銀需要の半分は中国とインドで占めている
◆需給削減で環境負荷を抑制する
途上国の政策が水銀需要削減の決め手
水銀削減を実行する具体策
三大部門の需要抑制が削減の大きなカギ
供給源の削減が成功を導く
需要の低下が新たな供給を凍結する
新技術で石炭火力発電による放出を食い止める
◆水銀対策における国際協調の現状
三陣営に分かれた削減案
国際協調こそ水銀対策実行の要
第七章 災害ー不幸なインパクトを和平交渉の好機に変える
頻発する天災が語るもの
バングラデシュは災害がきっかけで誕生した
災害復興の協力がトルコとギリシャの関係を改善
災害復興がもたらす希望と課題
◆「自然災害」と「非自然災害」の定義づけ
人的要因が自然災害を増大させる
自然災害は増加傾向にある
気温上昇と高齢化が被害を増幅する
サンゴ礁とマングローブ林は自然の防波堤
見逃せない森林の役割
密接に関係する気候変動と経済的損失
拡大が予想されるハリケーンの被害
◆災害と紛争のつながり
ハリケーン「カトリーナ」は、アメリカとイランの関係改善に繋がらなかった 209
ソマリアの教訓
災害復興を和平の契機に結びつける
◆暗雲と希望の光
貧困と不公平が被害を助長する
災害が浮き彫りにする社会の歪
洪水が対人地雷を拡散させる
和平構築に欠かせない関係者への配慮
外部の介入が事態を打開させる
環境保全が脆弱性を改善する
◆アチェ:行き詰まりの打開
アチェの歴史と現状
アチェ紛争の原因
軍の影響が最大の問題
津波が流し去った軍の支配
進展する和平交渉
和平へのプロセス
◆スリランカ:戦争でも平和でもない
スリランカ内戦の理由
複雑に絡み合う民族問題とうごめく黒い影
暗礁に乗り上げた停戦交渉
再燃した内戦の火ダネ
国際支援を奪い合う構図
混迷を深める政治情勢
◆人道的、環境的和平構築
組織間の連携と結束が急務
インドネシアが採択した「アチェのための緑の復興政策ガイドライン」
環境保護を紛争防止の手段にする
自然災害のリスク低減を図る方策
求められる包括的な援助と適正な資金提供
環境保護による和平構築
第八章 WTOー貿易と持続可能な開発を調和させるための改革を
ドーハ・ラウンド開催への道のり
宣言の前文に盛り込まれた持続可能な開発
WTOは持続可能な開発を実現できるか
◆貿易と環境論争
ガットの使命
輸入禁止措置を徹底して排除するガットの基本方針
対峙する貿易と環境
◆貿易と環境の衝突は避けられるのか
貿易は豊かさをもたらすか
貿易の進展が環境を悪化させる可能性がある
ポリューション・ヘイブンという危険な罠
導入が難しい環境コストの反映
環境を隠れ蓑にする保護貿易主義という指摘も
◆未解決の懸念
問題だらけの貿易と環境にまつわる論争
貿易障壁と見なされる環境規制
輸出国の不満が募る環境ラベリング制度
対立する国際法と貿易法
矛盾をはらむMEAとWTOの関係
WTOが抱える真の問題点とは何か
WTOが環境規制の足かせとなる
◆WTOと環境の相互支持的作用
環境問題には「豊かになってから取り組む」という、間違った認識
補助金の削減は経済と環境の両面において、プラスになる
漁業補助金は漁獲価額の二割にもなる
一筋縄ではいかない農業補助の削減
環境対応の物品とサービスとは何を指すか
◆貿易と持続可能な開発は調和できるか
貧困国にはインフラ整備ができなくて、貿易自由化の恩恵を受けられない
自由貿易だけでは途上国は豊かになれない
苛酷な貧困は環境問題への取り組みを阻む
持続可能な開発に不可欠なもの
◆WTOを越えて
環境項目が無視されがちな途上国どうしの協定
貿易自由化が招いたアルゼンチンの漁業資源崩壊
フェアトレードに見る相互支持の可能性
貿易協議の中心的役割を担うべきWTO
◆WTO改善の必要性
上級委員会に作業が丸投げされた貿易と環境の調和
ドーハ・ラウンドの残された課題
第九章 中国ーNGOを中心に環境市民社会を育成する
中国NGO活動の象徴「怒江ダム論争」
論争からダム建設停止という成果
◆環境NGOの政治的機会を開く
環境を蔑ろにした地方分権が環境破壊を助長
中央政府のチェック機能を補うNGO
よりいっそう環境政策を重視する五か年計画
「和諧社会」の育成が政策を後押しする
法制化された環境影響評価(EIA)
強力だが、市民参加を求める国家環境保護総局(SEPA)
知る権利を背景とした情報開示の進展
国家環境保護総局(SEPA)がいち早く公聴会開催を促す
市民参加を阻む制度上の不備
不十分な公聴会の運用状況
◆中国特有の性格をもつ環境市民社会
中国環境NGOの歴史
大きな自由が認められている大学系登記NGO
NGOの研究データの提供が政策決定に影響を与える
中国環境NGOの幅広い活動内容
活動発展の要はインターネット
ネット市民の参加が活動を拡大
◆拡大するNGOの影響力
生物多様性のホットスポット・中国南西部の動き
キャンパス外へ広がる活動
特定地域・特定部門を得意とする中国環境NGO第二世代
◆官製NGO(GONGO)の創設
GONGOの機能と役割
GONGOの将来像
草の根NGOを支援するCANGO
◆環境NGOへの国際援助
和諧社会を具現化する国際環境プロジェクト
活発化する欧米の活動支援
中国環境NGO育成の中核は国際NGO
国際協力が中国NGOの能力を強化する
◆政治的機会への根深い制約
中央政府が望む国家環境法の実施と監視の役割
NGO発展を阻害する要因
◆より強力なNGO部門構築の機会
急成長する中国NGOの能力
北京オリンピックが環境にやさしい建築資材の展示場になる
環境CSR運動の高まり
中国企業がNGOへ協力的になりはじめた
◆次のステップに向けて
今後の課題は内部能力の強化
自立化に必要とされるNGO訓練プログラム
NGOの法的地位の確立が急務
政治的機会を与えた中国の開放政策
第十章 CSR・ NGO・ SRIー環境の世紀にふさわしい企業を目指して 二一世紀の企業が果たすべき役割
企業が社会のウェルビーイングを担う
◆企業責任の根拠
企業責任への取り組みは社会にとってプラスとなる
廃棄物の縮小は生産コストを下げる
有能な人材の確保に資する進取的活動
企業の社会活動は業績を左右する
責任ある経営はリスクを減らす
環境問題への取り組みが業績アップにつながる
貧困層へのアプローチがビジネスチャンスを生む
リスク回避に帰結する企業責任の拡大
◆先駆的企業の例
環境効果の高い生産物
優良事例に見る環境効果の達成
持続不可能な活動を行う企業はやがて破綻する
◆責任ある企業活動への障害
最大の障害は利潤追求という企業の使命
コストの外部化が実態を見えにくくする
価格は補助金によって歪められている
近視眼的行動に浪費される企業の影響力
◆ステークホルダーの役割
変化する投資家行動
圧力として有効な株主決議案
大きなインパクトを与えた「気候リスクに関する投資化ネットワーク」
SRIは企業行動改善の大きな力
企業努力を支えるNGOの活動
協力関係を築く企業とNGO
脅しとして効果的なNGOの攻撃的手法
大勝利を導いた金融機関への圧力
絶大な効果をあげるドミノ戦略
改革意欲を持たない企業に未来はない
◆競争の足場を公平にする
補助金の廃止が公正な競争の前提
政策誘導の柱となる税制の改正
責任ある企業文化を育む
◆企業の影響力の方向を修正する
トップ企業の共通する戦略
報告書の作成と提出によって信頼を得る
目標達成の道具として報告書を活用する
政治と企業の微妙な関係
健全なロビー活動は社会的利益につながる
改革を前進させる企業の共同活動
社会に有益な企業活動とは何か |