前編:【ダボス会議】未来は「エネルギー効率の向上」にある《1》
省エネルギーの簡単な方法のひとつは、残っているすべての白熱灯を、消費電力がわずか3分の1で、使用期間も10倍長い、電球型蛍光灯(CFL)に切り替えることである。照明が消費電力全体の20%を占めるアメリカでは、各家庭が現在も広く普及している白熱灯をCFLに取り替えると、照明に要する電力を容易に半減させることができる。CFLの耐久性の長さと消費電力量の少なさは、価格の高さというマイナス点を大きく上回り、安全投資の収益は、年間約25〜40%に達する。たとえば、今後3年間に世界各地で白熱灯をCFLに切り替えれば、気候をかく乱させる石炭火力発電所を数百基閉鎖することができる。
エネルギー効率を向上させる、2番目の確実な分野は自動車だ。たとえば今後10年間に、アメリカで現在のガソリンを動力とした自動車を、トヨタのプリウスと同程度の燃費のガソリンと電気のハイブリッド車に移行させたら、ガソリンの使用量は簡単に半減する。ガソリン価格の高騰と気候変動の懸念の高まりから、ハイブリッド車の販売は増加している。
これはひとつの分野に注目しただけに過ぎないが、理論的にはこの活用が短期間でもっとも容易である。
気候を変える化石燃料依存型の経済から脱却するための特効薬はない。だが、現在、容易に入手可能な技術を活用することで、多様な「プランB」という、未来の代替エネルギー経済の構築に向けて、大きな一歩を進むことができる。
(プランB2.0英語版はアースポリシー研究所のホームページで参照可能)
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