トップ > レポート一覧 > Eco-Economy-Update 2007-8 ビル・クリントン絶賛、レスター・ブラウン最新刊「PLAN B 3.0」人類文明を救うために発売開始 Eco-Economy-Update 2007-8 【水資源】「水は使い捨て」の時代は終わった《3》
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都市が水の生産性を高める最も有効な一つの手段は、総合的な水処理と水リサイクルのシステムを取り入れ、同じ水を継続して再利用することである。このシステムでは、一回の水循環ごとに、数パーセントの水が蒸発により失われるだけである。現在活用できる新技術を考えれば、総合的に都市の水資源供給をリサイクルすることは十分可能であり、水資源不足を嘆いてきた都市の問題は解消することとなる。 水供給不足と水のコスト上昇に直面した一部の都市では、水のリサイクルの取り組みを始めている。例えばシンガポールでは、マレーシアから水を輸入しており、水リサイクルを始めることにより、水の輸入量を減らすことができた。水資源を常にリサイクルしなければ生存できないとされる都市もある。 都市と同様に水に関連した問題をかかえる各産業界では、水を使って産業廃棄物を流すという方針を改めつつある。一部の企業では、廃水を分離し、各企業内で適正な化学物質や膜ろ過で処理し、水の再利用の準備を進めている。世界の水資源に詳しいピーター・グリック氏は、「紙業界、パルプ業界、クリーニング業界、金属仕上業界など一部の産業界では、社内における水循環システムを構築しつつある。そこでは、全ての廃水を社内で再利用し、製品に加えられるか、蒸発により失われる分を補う少量の水が新たに必要となるだけだ。」と説明する。産業界の動きは、都市の動きよりも迅速である。しかし、産業界が開発した技術は、都市の水リサイクルにも活用することが可能である。 現在の水使用を前提とした廃棄物処理の経済は持続不可能である。この人口が密集した地球上で、あまりに多くの家庭、工場、飼育場が排泄物や廃棄物を水で流している。これは、環境面から見て思慮に欠ける行為であり今の時代にそぐわない。人口が今よりずっと少なく、経済活動もはるかに小さかった過去の時代のやり方なのだ。 |
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